JR横須賀線北鎌倉駅から鎌倉街道を鶴ヶ岡八幡宮方向に、徒歩3分内外の街道右側に石柱が見られる。ちょっと余所見をしていると見過ごしてしまいそうな感じである。正面入口を入ってすぐの石段を上って行くと茅葺きの山門。
綺麗に手入れが行き届いた庭を眺めながらしばらく歩くと右手に「泰平殿」という仏殿(本堂)。昇殿はできず本尊(寄木造り玉眼入り釈迦如来坐像)を拝むことができなかったのが残念である。
この左手隣には水月堂があり木造水月観音菩薩半躓像(県重文)が安置されているが事前予約が必要ということで今回は拝観できなかった。次回、時間を見計らってぜひ拝観したい仏様と思っている。
なお、この仏様は水面に映る月を眺める姿を表しているところから水月観音と呼ばれている。14世紀南北朝時代の作。
6月頃に咲く「岩がらみ」は圧巻である。
また、珍しい「八重ドクダミ」も見逃せない花である。ほかに、スイセン、ロウバイ、梅、椿、花桃、白モクレン、桜、ユキヤナギ、ボタン、花菖蒲、アジサイ、イワタバコ、桔梗等などが見られ鎌倉屈指の花の寺でも有名。
御朱印は宝物殿(木造聖観音菩薩立像や初音蒔絵火取母、葡萄蒔絵螺鈿聖餅箱などが展示されている)で頂く。
非常にやさしい墨跡で心が和む感じがする。
当寺は弘安8年(1285年)、北条時宗夫人覚山尼を開山とし開創。五世後醍醐天皇皇女用堂尼以来松ヶ丘御所と称されて寺格の高いお寺となった。室町時代には鎌倉尼五山第二位に列することになる。
二十世は豊臣秀頼息女天秀尼(祖父:豊臣秀吉、曽祖母:浅井長政夫人お市)、明治に至るまで男子禁制の尼寺で、駆込寺または縁切寺として多くの女人を救済した。今は、前円覚寺管長釈宗演禅師を中興開山とする男僧寺である。
【参考資料】
◆ 「御朱印でめぐる鎌倉の古寺」(著者:「地球の歩き方」編集室、発行所:ダイヤモンド・ビッグ
社)
◆ 「鎌倉謎とき散歩」(著者:湯本和夫、発行所:廣済堂出版)
◆ 「鎌倉史跡散策」(著者:神谷道倫著、発行所:かまくら春秋社発行)
◆ 寺伝
リンク先:「セカンドライフ男の集い(港南)」