2012年5月5日土曜日

鎌倉33観音札所巡り(光明寺)



鎌倉観音第18番札所光明寺

小町大路のバス通りに出て海岸に向かって行くとまもなく大きな総門が現れる。開基は四代執権北条経時、その後も第五代執権北条時頼をはじめ歴代執権の帰依をうけ、関東における浄土宗総本山として念仏道場の中心となった。開山は然阿良忠(記主禅師)で、寺伝によれば北条経時が仁治元年(1240年)に鎌倉に入った良忠のために佐助ガ谷に蓮華時を建立。寛元元年(1243年)に材木座に移して光明寺と改めたという。


まず総門だが、四脚門は明応4年(1495年)建立のものを寛永年間の早い時期に再興したものという。禅宗様の古建築で、欄間の彫刻は龍と雲、貫の木鼻は渦巻文様である。境内は、正面に五間重層の鎌倉最大といわれる山門。弘化4年(1847年)再建で1階が和様、2階が禅宗様の二重楼門で開口が16mある。正面の本堂(大殿)(重文)は、元禄11年(1698年)に再建されたもので間口9間、奥行11間の大建築で鎌倉の古建築では最大規模の大堂である。


山門を入ると目の前には広々とした境内左右に大きな桜の木々が今を盛りに咲き誇っている。まさに見事な景観であった。


正面本堂(大殿)に昇殿。欄干の彫物に目を奪われる。本尊は木造阿弥陀三尊像。脇侍は観音・勢至菩薩を伴っている。ほかに如意輪観音坐像、善導大師立像、法然上人坐像などが安置されている。本堂の左に回ると記主庭園(夏には2千年蓮と言われえる大賀蓮が咲く)が隣接。また、本堂を右に回ると枯山水様式の石庭(三尊五祖の庭)がある。この廊下には長椅子が置かれており、ゆっくりと石庭が観賞できる。清々しい気持ちとなり時間が経つのを忘れる。

この石庭には八つの石が並んでいる。後ろには三石が並び、阿弥陀三尊を表わしており、前面の五つの石は釈迦、善導、法然、弁長、良忠の五人の高僧を表わしていると言われている。


光明寺縁起によれば、当山は皇室との関係も深く、後花園天皇から山門にある「天照山」の掲額を、後土御門天皇からは関東における念仏修行根本道場として「関東総本山」の称号を受け、国と国民の平安を祈る「祈願所」となった由。

【参考資料】
 ◆ 「御朱印でめぐる鎌倉の古寺」(著者:「地球の歩き方」編集室、発行所:ダイヤ
    モンド・ビッグ社)
 ◆ 「鎌倉謎とき散歩」(著者:湯本和夫、発行所:廣済堂出版)
 ◆ 「鎌倉史跡散策」(著者:神谷道倫著、発行所:かまくら春秋社発行)
 ◆ 光明寺縁起
リンク先:「セカンドライフ男の集い(港南)」

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